Japan Economic Trend Research February 2014

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< Overview of February 2014:The upward trend of the Japanese economy at a temporary standstill >                                                                                      

 The Economic DI (Economic DI: 0-100, 50 points is the threshold of assessment) in February 2014 stood at 49.6, down 0.4 points from the previous month, worsening for the first time in eight months since June 2013.

The Japanese economy is experiencing a temporary standstill, with adverse weather occurring as a sense of uncertainty about the future heightened.
 

人手不足に対する企業の意識調査

Summary Report in English

正社員、約 4 割の企業が不足感

~ 「建設」「人材派遣・紹介」「情報サービス」「専門サービス」は 6 割に迫る ~

はじめに

景気の上昇傾向が続き、需要増への確実な対応や企画力・営業力の強化など、人員・人材確保の必要性が高まっている。また、中小企業における人手不足は重要な経営課題といえるなかで、景気動向調査の雇用過不足 DI では正社員・非正社員ともに多くの業種や地域で 50 を上回り、人手不足が全国的に拡大している。 このようななか、帝国データバンクは、人手不足に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB 景気動向調査 2013 年 12 月調査とともに行った。

※調査期間は 2013 年 12 月 16 日~2014 年 1 月 6 日、調査対象は全国 2 万 2,884  
 社で、有効回答企業数は 1 万 375 社(回答率 45.3%)。 
※本調査における詳細データは、景気動向調査専用HP(http://www.tdb-di.com/visitors/)
 に掲載している。

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1. 建設、人材派遣など景況感が回復している業界で、人材不足感が浮き彫りに

現在の従業員の過不足状況を尋ねたところ(「該当なし/無回答」を除く)、正社員について「不足」していると回答した企業は 1 万 166 社中 3,740 社、構成比 36.8%となり、企業の 4 割近くは正社員が不足していると考えていた。現在の正社員数が「適正」と判断している企業は 50.3%、「過剰」と判断している企業は 12.9%となった。 また、現在の正社員が「不足」していると回答した企業を業種別にみると、「建設」が 59.7%で最も多く、6 割近くが人手不足の状態にあることが明らかとなった。以下、「人材派遣・紹介」(59.4%)、「情報サービス」(58.2%)、「専門サービス」(57.6%)、「自動車・同部品小売」(52.9%)、「放送」(50.0%)、「家電・情報機器小売」(50.0%)で不足感が目立った。建設やサービス、自動車や家電小売など、駆け込み需要やアベノミクス効果によって景況感が急速に回復している業種(TDB景気動向調査より)での人材不足感が浮き彫りとなった。

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企業からは「2020年の東京オリンピックに向け、建設業界が人員の確保に走っている。本当に必要な現場の人材が足りない状態が起こっている」(建設、東京都)や「ソフトウエア業界全体が技術者不足。ソフトウエア産業をどうするか、国が真剣に考えるべ
き時期が来ている」(情報サービス、東京都)、「業界自体に若い世代が来ないので高齢化が進んでいるうえ、技術的には法令が毎年変わるので若手育成が難しい時代であり、定着しづらい」(土木建築サービス、茨城県)といった、技術を持った正社員の不足を訴える声が多く挙がった。

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2. 非正社員、企業の 4 社に 1 社が不足感、業種別では「飲食店」が半数超で最多

他方、非正社員では、「不足」計は「該当なし/無回答」を除く 8,251 社中 1,996 社、構成比24.2%となり、4 社に 1 社で非正社員が不足していると考えている。ただ、「適正」が 66.6%と 3 社に 2社にのぼり、「過剰」計も9.2%と約1 割にのぼった。
非正社員について、最も人手が足りないと感じている業種は「飲食店」(53.2%)。以下、「人材派遣・紹介」(49.0%)、「旅館・ホテル」(45.5%)、「医薬品・日用雑貨品小売」(42.9%)、「飲食料品小売」(41.7%)が続き、消費者と直に接することの多い業種で高かった。企業からは、「若年人口が減少し続けるなかで“若い男性”にこだわり続ける派遣先企業の要望に応え続けることができない」(人材派遣・紹介、愛知県)や「自社では早朝勤務する販売員等が他の職種に比べて中高年者が中心となっており、今後の若年層の確保に苦労している」(飲食料品小売、香川県)、
「地域の雇用状況から若手の数が不足しており、市内全般でも人員確保に苦労している」(スーパー、長崎県)など、非正社員では企業の求める人材の能力や年齢などのミスマッチを指摘する意見が多く挙がった。

3. 人材が不足している部門、「生産現場に携わる従業員」が半数超で最多

現在の従業員の過不足感について、正社員または非正社員の少なくとも一方で「不足」していると回答した企業 4,336 社にどのような部門・役割で人手が不足しているか尋ねたところ、「生産現場に携わる従業員」が 55.1%で最多となった(複数回答)。さらに、「営業部門の従業員」(47.1%)、「高度な技術を持つ従業員」(33.6%)が続き、上記3項目が特に高かった。 業界別にみると、「生産現場に携わる従業員」では『農・林・水産』(76.5%)、『建設』(75.1%)、『製造』(76.3%)、「営業部門の従業員」では『不動産』(78.6%)と『卸売』(71.7%)がいずれも 7 割を超えていた。また、「高度な技術を持つ従業員」では『建設』(52.2%)が半数を超えた。消費増税前の駆け込みやアベノミクスによる需要拡大が著しい業界において、生産や営業、高技能労働者の不足が顕在化している。

企業からは、「建築・土木とも技術者が圧倒的に不足しているが、職能工はさらに不足している」(建設、千葉県)や「システムエンジニアやプログラマーなど IT 技術者」(情報サービス、山形県)など、高い技能を必要とする役割を担う分野で人手が不足しているという声は多い。また、「生産現場で欠員が生じている」(合板製造、茨城県)や「生産現場の高卒新入社員の採用が難しくなりつつある」(鉄鋼・非鉄・鉱業、神奈川県)など、製造現場での人員不足を訴える企業も多い。

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4. 人手不足による影響、「需要増への対応が困難」が 6 割近くに上る

現在の従業員の過不足感について「不足」していると回答した企業 4,336 社に対して、人手が不足することによりどのような影響があるか尋ねたところ、「需要増への対応が困難」が 57.7%で半数を超え、最多となった(複数回答)。以下、「経営力、企画力、営業力の維持・強化が困難」(29.8%)、「技能・ノウハウの伝承が困難(27.1%)、「組織の高齢化が解消できない」(27.0%)が続いた。特に、需要増への対応については『建設』の 77.6%が挙げており、公共工事を含む建設需要の急増に人員が足りていない様子がうかがえる。 具体的には、「現場で働く労務者不足により、工期の遅れ、売上、利益の減少が起こっている」(建設、山形県)や「工事の管理や受注に支障がある」(建設、兵庫県)など、直接、業績に支障を来しているという声が多く挙がった。また「業務量の増加に対応しきれず、ミスが発生するリスクが高まっている」(洗濯・浴場、宮崎県)や「残業時間の増加や休日出勤の増加でカバーしており、長期化すると作業者に負担となる恐れがある」(電気機械製造、長野県)、「目の前の仕事に
追われて時間の余裕がなく、お客様のニーズを引き出し切れていない」(機械・器具卸売、福岡県)といった、品質低下や従業員への負担増加、顧客ニーズへの対応などを指摘する意見も多く挙がった。

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5. 人材の確保・定着対策、「やりがいのある仕事を任せる」が最多、「上司・先輩とコミュニケーション」も 3 割超

自社で人材の確保・定着の方法として、どのような対策を行っているか尋ねたところ、1 万 375社中 5,048 社、構成比 48.7%が「やりがいのある仕事を任せること」と回答し、最多となった。次いで、「人事考課の適正性の確保・向上」(33.2%)、「上司・先輩とのコミュニケーション」(31.6%)、「教育・訓練体制の整備・充実」(31.4%)、「経営者とのコミュニケーション」(30.3%)など、仕事内容や評価基準、円滑なコミュニケーションを上位に挙げる企業が多かった。
具体的には、「賃金を上げただけでは解決せず、やりがい、達成感がなければ成長も継続もない」(機械・器具卸売、福島県)や「大事なのは制度やシステムより日常の仕事に関係する人々とのコミュニケーション」(建設、広島県)、「時間と手間をかけて社員とのコミュニケーションを密にする以外に、人材定着の良策はない」(機械・器具卸売、愛知県)など、日頃の人間関係や達成感といったものの積み重ねを挙げる企業は多い。また、「人事考課及び賃金体系の透明化と平等性の確保」(配管冷暖房装置等卸売、愛知県)や「ある程度の賃金レベルを守り、能力開発の機会を設ける」(建設、兵庫県)といった、賃金の維持と評価基準の透明化を指摘する企業もあった。

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円安などをもたらしたアベノミクス効果に加え、消費税率引上げを控えた駆け込み需要もあり、国内景気は上昇基調を強めている[「TDB 景気動向調査」(帝国データバンク)]。しかしながら、長期にわたって続いてきたデフレ経済下で人員削減等を実施してきた企業のなかには、急速な需要拡大に直面しながらも人手が足らず受注機会を逃しているところもある。 実際、企業の 36.8%で正社員の不足感を持っており、とりわけ「建設」「人材派遣・紹介」「情報サービス」「専門サービス」では 6 割近い企業で人手が足りていない実態が明らかとなった。特に建設業界では、「建設現場で監督できる技術が必要な人材」(建設、埼玉県)に象徴されるように、高い技術を持った人材の不足が顕著となっている。建設業界に限らず高技能労働者の不足を訴える企業は多く、さらに人手が不足していると考える企業のうち 55.1%が「生産現場に携わる従業員」に人手不足を感じていることから、今後の景気上昇期における生産活動のリスク要因となる恐れがある。また、「営業部門の従業員」も約5 割となっており、すでに人手不足により「需

要増への対応が困難」(57.7%)となることを懸念する企業が多くなっている。 しかしながら、消費税率引上げ後の業績への影響に対する不透明感が企業側に残っているなか
で、「今年度は忙しいが、来年度の見通しが立たないために正社員の採用が難しい」(建設、熊本県)などのように、現在、人手が足りないと感じつつも人員を増加させることに躊躇している様子もうかがえる。政府は消費増税によるマイナスの影響を強力に下支えする政策を実施する一方で、中長期的に持続可能な経済成長を実現する成長戦略を推進し、企業が抱いている懸念を払拭する必要があるだろう。

調査先企業の属性
1.調査対象(2 万 2,884 社、有効回答企業 1 万 375 社、回答率 45.3%)

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Japan Economic Trend Research January 2014

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<Overview of January 2014: The underlying upward economic trend is sustained>

The Economic DI (Economic DI: 0-100, 50 points is the threshold of assessment) in January 2014 stood at 50.0, up 0.5 points from the previous month, reaching in the 50’s – the threshold of assessment –  for the first time since starting the survey in May 2002.

The retail, service, and other consumer-related industries have been driving the Japanese economy, sustaining the underlying upward trend.

2014 年の景気見通しに対する企業の意識調査

Summary Report in English

2014 年景気、「回復」見込みは前年の 2.6 倍に急増 

~ 今後の景気回復、個人・企業双方への対策を求める声が増加 ~

はじめに

2013 年 12 月 9 日に発表された 7~9 月期の実質 GDP 成長率(改定値)は前期(4~6 月期)比 0.3%増、年率換算で 1.1%増となり、4 四半期連続のプラス成長となった。消費税率引上げを前にした駆け込み需要やアベノミクス効果により好業績を示している業界がある一方で、必ずしも恩恵を受けきれていない地域・業界もある。

このようななか、帝国データバンクは、2013 年の景気動向および 2014 年の景気見通しに対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB 景気動向調査 2013 年 11 月調査とともに行った。なお、景気見通しに対する調査は 2006 年 11 月から毎年実施し、今回で 8 回目。

※調査期間は 2013 年 11 月 19 日~30 日、調査対象は全国 2 万 2,863 社で、有効回答企業数は 1 万 493 社(回答率 45.9%)。

調査結果(要旨)

<1>・2013 年、「回復」局面だったと判断する企業は 26.2%で、本調査を開始した 2006 年以降で最高、前年の 2.1%から大幅増加。他方、「悪化」局面は前年の 50.1%から 8.0%へと劇的に減少。

<2>・2014 年の景気見通し、「回復」が 23.7%、「悪化」が 16.5%となり、企業はやや慎重な見方を強める。全規模、10 業界中 8 業界、10 地域中 7 地域で「回復」が「悪化」を上回り、景気の方向感は改善傾向にあると考えている企業が多数を占める様子がうかがえる。

<3>・2014 年景気への懸念材料は「税制」(58.6%、前年比 23.8 ポイント増)が最多。さらに、「原油・素材価格(上昇)」(53.0%、同 33.2 ポイント増)が 5 割を超え、景気への悪影響を懸念する企業が大幅に増加。

<4>・景気回復のために必要な政策、「個人消費拡大策」「所得の増加」「法人向け減税」「個人向け減税」が上位となり、個人と企業双方への対応を求めている様子が浮き彫りになった。

<5>・駆け込み需要は 15.0%で、3 カ月前より 6.5 ポイント増加。『建設』では約 4 割が「すでにあった」と回答。「今後出てくる」と考える企業を含めると 3 業界で半数を超える。

1. 2013 年、「回復」は前年比 12.5倍、「 悪化」は 1/6 以下に

2013 年の景気動向について尋ねたところ、「回復」局面であったと回答した企業は 1 万 493 社中2,752 社、構成比 26.2%となり、2012 年の景気動向(2012 年 11 月調査)より 24.1 ポイント増加した。「踊り場」局面とした企業は 47.4%に達し、2012 年より 14.0 ポイント増加した。また、「悪化」局面とした企業は前年の 50.1%から 8.0%へと劇的に減少した。

「回復」局面とした企業からは「アベノミクスによる成長戦略が明確になり、金融庁と経産省が本気で景気回復へ動き始めた年」(専門サービス、大阪府)や「アベノミクスにともない始まった円安傾向によって、震災復興需要やオリンピック景気、資材の価格高騰など、景気は着実に回復基調にある」(内航船舶貸渡、大分県)といった、2013 年の景気回復の要因にアベノミクス効果を挙げる声は多く、さらに震災復興や東京五輪などがともなったといえる。

他方、「悪化」局面とした企業からは「円安による原材料の値上げ、賃上げ圧力、高速料金見直し等、コストアップ要因が多い」(一般貨物自動車運送、岡山県)や「印刷業界は下降傾向変わらず。特に商業印刷は落ち込みが大きいので、当社にとっては厳しい局面が続く」(印刷、東京都)
などの声が挙げられ、アベノミクスの結果としての円安にともなうコスト負担の上昇や業界全般における不振を感じている企業もあった。

「回復」局面とする見方はリーマン・ショック直後の 2008 年に 0.1%となり(2008 年 11 月調査)、2010 年、2011 年まで増加したものの 3.9%にとどまっていた。2012 年は円高や消費不振で2.1%と再び落ち込んだ。今回の 26.2%は、本調査を開始した 2006 年以降で最も高くなった。

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2.  2014年の景気見通し、「回復」見込みは前年の2.6倍に急増

2014年の景気見通しは「回復」局面を見込む企業が 23.7%となり、前年の 9.1%から 2.6 倍に急増した。ただし、2013 年の景気動向から 2.5 ポイント減少した。また、2014 年の景気を「踊り場」局面と予想する企業は 2013 年より 12.8 ポイント低い 34.6%となっており、「悪化」局面は16.5%と 8.5 ポイント増加した。

2014 年の景気見通しを規模別でみると、「回復」と「悪化」について「大企業」と「中小企業」で大きな差がみられない一方、「小規模企業」は「大企業」と比べて「回復」が 5.1 ポイント低く、「悪化」が 5.8 ポイント高く、規模の小さい企業ほど 2014 年の景気を厳しくみている(7 ページ参考2参照)。

業界別では、「回復」は『サービス』が 26.7%で最も高く、このほか『建設』『製造』など 3 業界で全体平均を上回った。他方、「悪化」は『農・林・水産』『卸売』『小売』『運輸・倉庫』の 4業界が全体平均を上回り、特に『小売』は 30.4%と 3 割を超えた。10 業界中 8 業界で「回復」が「悪化」を上回っており、2014 年の景気は 2013 年よりやや勢いが弱まるものの、総じて明るい見通しとなった。また、「回復」を地域別でみると、『南関東』が最も高く、『四国』『北関東』『近畿』が全体を上回った。

2014 年の景気見通しは、2013 年の景気動向と比べると全規模、全地域、全業界で「悪化」すると予想する企業が増加している。しかし、調査を開始した 2006 年以降では「回復」見通しは最も高く、企業は景気の方向感が改善傾向にあると考えている様子がうかがえる。

企業からは「アベノミクスをはじめとした経済政策の効果が図れる年と考える」(木造組立材料製造、栃木県)や「必ず景気は回復すると信じて、減収・減益になっても社員を離さずに頑張ってきた。ようやく地方にもアベノミクス効果の兆しが出てきたかと感じる。リーマン・ショック以来の低迷を跳ね除けたい」(製缶板金、秋田県)といった、アベ
ノミクス効果が業績等の実態として現れてくるという声が挙がった。他方、「このままであれば消費税増税は必ず景気を冷え込ませる。年度内にもう一つ景気浮揚策を実施
する必要がある」(建築工事、大阪府)など、消費税率引上げ後の景
気に十分配慮し、事前にできるかぎりのことを実施することを求める意見もあった。

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3. 2014年景気への懸念材料、増税や資源価格の上昇が半数を超える
2014 年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料を尋ねたところ、「税制(消費増税、復興増税含む)」が 1 万 493 社中 6,144 社、構成比 58.6%(3 つまでの複数回答、以下同)で最も多かった。さらに、「原油・素材価格(上昇)」(53.0%)が続き、いずれも 5 割を超えた。前回調査と比べると、「税制」は 23.8 ポイント増(前回 34.8%、1 位)、「原油・素材価格」は 33.2 ポイント増(前回19.8%、6 位)となり、景気への悪影響を懸念する企業が大幅に増加した。また、「為替(円安)」は 22.0%で 3 位となり、前回から大幅に減少した「為替(円高)」(11.6%、8 位。前回 30.0%、2
位)を上回った。これまでの円高による景気悪化懸念から円安による懸念へと、景気に対して為替相場から受ける影響が様変わりしたことがうかがえる。他方、「金利(上昇)」(11.8%、6 位)も前回の 3.9%(18 位)から大幅に上昇したほか、「物価上昇(インフレ)」(11.6%、7 位)も 1割超の企業が懸念材料に挙げている。

全体としては、税制や円安、それにともなう資源高、さらに、金利上昇などに対する懸念が前回より大きく増加し、2014 年景気を左右する要因として企業はみていることが明らかとなった。

企業からは、「建設資材の高騰や技術管理者を含む労働者不足等の懸念材料が長引く」(土木工事、広島県)や「輸出好調のアベノミクス効果が薄れ、消費税増税による国内消費の悪化」(飲食料品小売、静岡県)など、消費税増税や資材価格の上昇、人材不足を懸念する意見が多かった。また、「韓国や中国など近隣諸国との関係の悪化」(建築材料卸売、東京都)や「TPP の決着で主力産業である農業が大きく影響を受けた場合、急激な景気衰退となることを懸念」(建築用金属製品製造、北海道)など、外交問題や TPP 交渉の行方について不安視する声も寄せられた。

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4.今後の景気回復に必用な政策、消費税引き上げが迫るなか、「個人消費拡大策」「所得の増加」「法人向け減税」などを求める意見が増加

今後、景気が回復するために必要な政策を尋ねたところ、「個人消費拡大策」が 1 万

493 社中4,145 社、構成比 39.5%(複数回答、以下同)で最多となった。次いで「所得の増加」(38.7%)、「法人向け減税」(38.7%)、「個人向け減税」(29.8%)と続き、いずれも前回調査から大きく増加した。2014 年 4 月からの消費税率引上げもあり、個人と企業双方への対応を求めていることが浮き彫りとなった。第 5 位は「規制緩和」(27.5%)となり企業がビジネスチャンスを拡大するための施策を求める傾向もあった。また、「原発事故の収束」(22.0%、前回比 10.5 ポイント増)が
前回よりほぼ倍増しており、企業は原発事故対策が依然として進んでいないと認識している様子がうかがえる。

具体的には、「原発に代わる自然エネルギーの積極的な開発の推進と、個人住宅建設に対する消費税減税(5%に据え置き)の実施が必要」(生コンクリート製造、岐阜県)や「震災の復興、原発事故の収束、消費税率引上げにともなう需要喚起のための個人向け減税・自動車取得税の減額または廃止など」(産業用電気機器卸売、愛知県)など、消費税増税への対策を求める声が多く挙がった。また「実効性のある少子化対策をもっと早く打たないと将来の日本の発展は望めない」(機械同部品製造修理、香川県)や「医療費や介護等、消費税等の負担増、年金や基金の支給減等、将来の不安の解消が必要」(さく井工事、山形県)といった将来不安を解消する政策を指摘す
る意見も聞かれた。4

5.『建設』の4割がすでに駆け込み重要を実感、消費税引き上げまでには『不動』産『卸売』『小売』を含む4業界で企業の半数超が駆け込み需要を見込む

自社の事業において、現在、駆け込み需要と思われる需要の変化がみられるか尋ねたところ、「すでに駆け込み需要がある」と回答した企業は 15.0%となった。駆け込み需要に関する前回調査(2013 年 8 月)と比較すると 6.5 ポイント増加、前々回調査(2013 年 5 月)からは 10.9 ポイント増加した。

業界別にみると、『建設』(38.0%)が 4 割近くに達しているほか、『不動産』(22.1%)も 2 割を超えている。また、『金融』(10.8%)、『製造』(12.0%)、『卸売』(11.6%)も 1 割超の企業で駆け込み需要を感じていた。前回調査との比較では、『建設』が 25.1%から 12.9 ポイント、『製造』が 5.6%から 6.4 ポイント、『卸売』が 6.0%から 5.6 ポイント、それぞれ増加した。また、駆け込み需要が「今後出てくる」と合わせると、『建設』(63.6%)、『卸売』(54.1%)、『小売』(57.2%)で 5 割を超えた。他方、規模別に「すでに駆け込み需要がある」をみると、「大企業」(17.7%)、「中小企業」(14.2%)、「小規模企業」(18.7%)となり、特に「大企業」と「小規模企業」では前回調査よりそれぞれ 7.5 ポイント、7.2 ポイント増加した。

具体的には、「9 月まで消費税増税による駆け込み需要が発生し、年度内は受注残含めて好調の見込み」(建材・家具製造、岡山県)や「当地は所得水準が低いため増税前の駆け込み需要はかなり限定的と考えられていたが、予想より需要が多かった」(不動産、北海道)、「新政権発足以降、一般景気が回復傾向にあり、不動産市況も好調に推移。3 月末にかけては消費税率引上げ前の駆け込み需要も発生」(不動産代理・仲介、東京都)など、各規模・業界で駆け込み需要が生じていた。しかし、「増税前の駆け込み需要に資金が回らず苦戦している企業もみられる」(木造建築工事、三重県)といった、運転資金の不足から需要を取り込めていないという声もみられた。

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まとめ

安倍政権の経済政策(アベノミクス)により円安基調が続き、自動車等の輸出が増加したことや、2014 年 4 月の消費税率引上げを前にした駆け込み需要と震災復興による建設需要の高まりにともなう同関連産業への波及などから、2013 年の景気は前年から大幅に改善された。
実際、2013 年の景気が「悪化」局面だとする企業は、2012 年の 50.1%から 42.1 ポイント減と大幅に減少し、同時に、「回復」局面と考える企業も 26.2%と、調査を開始した 2006 年以降で最も高くなった。また、2014 年の景気見通しでは「回復」を見込む企業が過去最高となっており、引き続き「回復」が「悪化」を上回っている。総じて景気の方向感は改善傾向にあると考えている様子がうかがえる。
しかし、懸念材料として、消費税増税や円安を通じた原材料価格の上昇に懸念を抱いている企業が多く挙げられるなど、2014 年の景気について消費税増税を控えてやや慎重な見方をする企業も増えている。そのため、個人消費拡大策や所得増加策、法人向け減税、個人向け減税など、景気の腰折れを防ぐ対策を政府に求める傾向が如実に現れた。企業の景況感が 2002 年以降で最高水準へと上昇しているなか[「TDB 景気動向調査 2013 年 11 月」(帝国データバンク)]、政府には、予算の効果的分野への投入順位を決定し、スピード感を持って実行に移していく舵取りが求められている。

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Financial Analysis of Companies in Japan (2012)

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Profitability Is Improving, But in Terms of Stability Companies Are Only Halfway to Recovery

~ Small Companies Have Excess Liabilities in Four Sectors; Clear Gaps Exist Among Companies of Different Sizes ~

Introduction>>>                                                                                                      The Japanese economy has improved due to the weakening yen and rising share prices in financial markets, as well as through the recovery demand (from the Great East Japan Earthquake) and growing public works, among others. Thus, corporate earnings are expected to recover.

Teikoku Databank conducted financial analysis of six fiscal years from 2007 (April 2007 through March 2008) before the start of the subprime loan crisis (triggered by the collapse of Lehman Brothers) to 2012 (April 2012 through March 2013). Information was studied and analyzed from the two viewpoints of profitability and stability…read the findings.

2013 Second-Quarter Order Volume and Performance Trend Survey on 59 Listed Construction Companies

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Significant Increase in Public and Private Sectors; Total Order Volume Up 43.8% from Same Period in the Previous Year.

~ However, nearly 40% of companies saw a downturn in the gross profit margin ~

Public-works spending for the 2013 fiscal budget was set at the level of 5.3 trillion yen, up 15% from the 4.6 trillion yen of the previous fiscal year. Accordingly, public works totaling more than 10 trillion yen (including last fiscal year’s supplementary budget of the emergency economic package) has been launched. TDB Economic Trends Research (nationwide) also shows that the construction industry’s economic DI saw an improvement five months in a row and a renewed record high in four consecutive months with an increase to 56.6 in November, up 1.8 points as compared to the previous month. New construction/renovation works and public works have been at their height, due to earthquake disaster reconstruction and last-minute demand before the consumption-tax increase. Additionally, interior finish work is increasing in accompaniment to home construction. Moreover, orders for welfare-related facilities like hospitals and care facilities, as well as construction demands along with capital spending, have been on a favorable trend with governmental institutions and municipalities as well as the private sector. However, there are cases in which bids haven’t been successful because of a surge in construction costs stemming from the lack of construction workers and the escalation of material prices due to yen depreciation. Various other factors of concern remain, such as a decrease in demand as rebound after the consumption-tax increase in this spring.

Teikoku Databank conducted a year-over-year comparison and analyzed the order volume on a stand-alone (non-consolidated) basis, as well as sales, gross margin on sales, and ordinary profit and loss on a consolidated basis from the earnings summary for the second quarter of 2013, as submitted by the listed construction companies nationwide. The companies surveyed comprised 59 listed construction firms (excluding June and September results), but the survey on order volume was conducted with 45 companies whose performance was comparable to the previous year on a stand-alone basis…click here for survey results.

Corporate Attitudes Toward the 2014 Economic Forecast

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Companies that expect the 2014 Japanese Economy to experience recovery

 2.6-times higher than in the previous year

~ More companies seek measures for future economic recovery as well as for both individuals and companies ~ The real GDP growth rate (revised figure) for the July~

The real GDP growth rate (revised figure) for the July-September period, as released on 9, 2013, shows that it has experienced a 0.3% increase from the previous period (April to June) and saw an annualized growth rate of 1.1%. Thus, there has been positive growth for four consecutive quarters. While some industries are showing good performance results due to the last-minute demand before the consumption tax increase (in addition to the Abenomics effect), there also exist some regions and industries that haven’t necessarily benefited from such factors.

Based on these developments, Teikoku Databank conducted a survey about companies’ perspectives on the 2013 economic trends and the forecast for 2014. The research was conducted in conjunction with the November 2013 study by TDB Trends Research. Surveys on economic forecasts have been conducted annually since November 2006, making this the eighth edition of the survey…jump to survey results.